Work
始まりは、遮るもののない広大な更地でした。私たちがまずこだわったのは、お施主様、そしてここに眠る方々への「絶対的な安心」です。目に見えなくなる土台だからこそ、一切の妥協を許さない。緻密に張り巡らされた鉄筋、狂いのない正確な型枠、そして強固な鉄筋コンクリート(RC)構造の基礎。地震や大雨といった災害から、大切なご遺骨を何世代にもわたり守り抜く堅牢な骨組みを、職人の手で一つひとつ丁寧に組み上げました。
コンクリートの構造体が完成すると、この建築の最大の象徴である高級御影石「ブラックギャラクシー」が美しく張り合わされていきます。深く吸い込まれるような漆黒の中に、ゴールドやシルバーの結晶が星屑のように煌めく奇跡の石。中央を飾る阿弥陀如来の影彫りレリーフは、この最高峰の石肌を細かく叩くことで、光の当たり方によって立体的に濃淡を変える芸術的な表情を生み出しています。左右を彩る竹林の鮮やかな緑と、鏡のように青空を映し出すブラックギャラクシーのコントラストが、現代的でありながらも、どこか懐かしい「和モダン」の静謐な空間を作り出します。
この納骨堂の真の姿は、陽が落ちてから完成します。私たちが得意とする空間デザインのノウハウを詰め込み、綿密に計算されたライティング。闇の中に浮かび上がる阿弥陀如来の優しい眼差しと、植栽を照らす温かなアッパーライト。それらがブラックギャラクシーの星屑のような輝きと溶け合い、まるで宇宙の安らぎに包まれているかのような幻想的な景色が広がります。それは、夜にお参りに来られる方を優しく迎え入れる灯りであり、ここに眠る魂を包み込む安らぎの光でもあります。
お墓は、過去と未来をつなぐ場所。私たちは、単に「石の建物」を建てるのではなく、ご家族が訪れるたびに心が安らぎ、温かな記憶に満たされるような「居場所」をデザインしました。何もないところから始まったこの場所が、これから100年、200年と、多くの人々の心に寄り添い、優しく照らし続ける存在となることを願っています。